埼玉県所沢市の歯医者、新所沢ぎぼ歯科・矯正歯科院長の儀保逸哉です。 今回は、「マウスピース矯正中に注意すべきこと」についてお話をしていきます。
【結論】 マウスピース矯正は、目立ちにくく、取り外し可能で衛生的という大きなメリットがある一方で、その成功には患者さんご自身の自己管理と協力が不可欠です。特に、マウスピースの装着時間を守る、矯正期間中のお口のケア、そしてアタッチメントやゴムかけの正しい使用が、治療を計画通りに進める上で非常に重要となります。これらの注意点を守ることで、マウスピース矯正の最大の効果を引き出し、理想の歯並びをスムーズに手に入れることができます。
[目次]
1. はじめに:マウスピース矯正の魅力と成功の鍵
近年、矯正治療の選択肢としてマウスピース矯正を選ぶ方が非常に増えています。その最大の理由は、何と言っても「目立たない」こと。透明なマウスピースなので、つけていることがほとんど気づかれず、お仕事やプライベートでの見た目を気にすることなく矯正治療を進められるのは大きな魅力です。さらに、食事や歯磨きの際に取り外しが可能なため、衛生面でも優れていると感じる方が多いでしょう。
しかし、この「取り外し可能」という特性こそが、マウスピース矯正の成功を左右する最大の鍵でもあります。ワイヤー矯正のように常に装置が固定されているわけではないため、患者さんご自身の自己管理能力が治療の成果に直結します。マウスピース矯正は、新しいマウスピースに交換するたびに少しずつ歯が動いていく仕組みです。この動きを計画通りに進めるためには、いくつかの重要な注意点を守っていただく必要があります。これらの注意点をしっかりと理解し、日々の生活の中で実践していくことが、マウスピース矯正を成功させ、理想の歯並びを手に入れるための何よりの近道となります。
2. 「装着時間」が大事!マウスピース矯正の最重要ポイント
マウスピース矯正において、最も、そして何よりも重要なのが「装着時間」です。これを守らなければ、どんなに精密な治療計画も意味をなしません。一般的に、マウスピースの装着時間は1日20~22時間以上が推奨されています。これは、食事や歯磨きの時間以外は、ほとんど常に装着している必要があるということです。寝ている間はもちろんのこと、起きている間も、会話中やデスクワーク中など、あらゆる時間で装着が求められます。もし装着時間が不足すると歯は計画通りに動かず、次のステップのマウスピースが合わなくなったり、治療期間が延長したり、最悪の場合、治療が中断せざるを得なくなることもあります。ご自身の頑張りが、そのまま治療期間や結果に反映されることを常に意識してください。
□装着時間を守るための具体的な工夫
「20時間以上もつけるなんて大変!」と感じる方もいるかもしれません。しかし、日々の行動を工夫することで、無理なく装着時間を確保することは可能です。
・習慣化する: 食事や歯磨きが終わったらすぐに装着する、というルーティンを確立しましょう。歯磨きをする場所にマウスピースケースを置いておくと、忘れにくくなります。
・タイマーやアプリを活用する: 装着時間を記録できるアプリや、タイマー機能を使って、装着忘れや装着不足を防ぐことができます。
・外す時間を最小限に: 食事の時間や、おやつを食べる時間など、マウスピースを外す時間を意識的に短くするよう心がけましょう。だらだらと食べ続けたり、長時間のおしゃべりに夢中になったりすると、あっという間に装着時間が減ってしまいます。
・飲み物は水・お茶が基本: マウスピースを外す回数を減らすためにも、装着中は水やお茶を飲むようにしましょう。これにより、装着時間を確保しやすくなります。
・常に持ち歩く: マウスピースケースを常に持ち歩く習慣をつけることで、外出先での食事後もすぐに装着できます。
上記のように、矯正治療をすることで、おやつなどの間食が少なくなったり、飲み物をお水に変えることで、歯並び以外にも、食生活の改善になり、ダイエットにもなったという患者さんもいらっしゃいます。
3. 「清潔」が成功を呼ぶ!マウスピースと口腔内のケア
マウスピースを清潔に保つこと、そしてお口の中を清潔に保つことは、矯正治療を安全かつスムーズに進める上で非常に大切です。
□マウスピースのお手入れ方法
・取り外しごとに洗浄: マウスピースを外したら、必ず流水と指、または柔らかい歯ブラシで優しく洗いましょう。熱湯は変形の原因になるため、絶対に使用しないでください。
・専用洗浄剤の活用: 週に数回、マウスピース専用の洗浄剤(リテーナー洗浄剤など)を使用すると、より清潔に保てます。これにより、細菌の繁殖や着色、ニオイの発生を防ぎます。
・歯磨き粉はNG: 研磨剤入りの歯磨き粉は、マウスピースに傷をつけ、そこから菌が繁殖しやすくなるため避けましょう。
□矯正中の歯磨きと口腔ケアの重要性
マウスピースを装着している間は、唾液が歯に触れる時間が短くなり、自浄作用が低下します。そのため、むし歯や歯周病のリスクが通常よりも高まります。
・毎食後の歯磨き: マウスピースを外したら、必ず歯磨きをしてから再装着しましょう。歯と歯の間や、マウスピースが密着する部分は特に丁寧に磨く必要があります。
・フロスや歯間ブラシの活用: 歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスや歯間ブラシを使って徹底的に除去しましょう。
・うがいの習慣: 食事後、すぐに歯磨きができない場合は、せめて水でしっかりと口をゆすいでからマウスピースを装着してください。
・定期的な歯科検診: 矯正治療中は、通常よりもこまめに歯科医院でプロによるクリーニングやむし歯チェックを受けることをお勧めします。
4. まとめ
マウスピース矯正は、目立たないという大きなメリットを持つ反面、患者さんご自身の自己管理能力が治療の成否を大きく左右する治療法です。
「1日20~22時間以上の装着時間の厳守」は、マウスピース矯正の成功に不可欠な絶対条件です。これに加えて、「マウスピースと口腔内の清潔を保つこと」が、計画通りに歯を動かし、理想の歯並びを手に入れるための鍵となります。
もし、マウスピース矯正中に何かトラブルが発生した場合は、自己判断せずに、すぐに新所沢ぎぼ歯科・矯正歯科にご連絡ください。
〒359-0044埼玉県所沢市松葉町2-22 矢島ビル2階
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
09:00 ▸ 13:00 | ● | ● | ● | / | ● | ● | / |
14:00 ▸ 17:30 | ● | ● | ● | / | ● | ▲ | / |
休診日…木曜日、日曜日、祝日
▲14:00~17:00